Strade Biancheプレビュー

ついに今日ストラーデビアンケが開催される。僕としてはツールの次に好きなレースだ。今回は、ロードレースを全く見たことのない人の入り口としてこのレースを紹介したい。

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このレースは最上位カテゴリに属する格の極めて高いワンデーレースだ。モニュメントという最も歴史あるレース5つの次に位置する、新興ながら大人気のレースだ。最大の特徴はなんと言ってもその名の通り、イタリアトスカーナ地方の白い道、つまりStrade Biancheを駆け抜ける、という点である。

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総距離180キロのレースのおよそ4割が未舗装の砂利道である。さらに、そのほとんどが急こう配で、獲得標高は3000メートル越えと、かなり難易度の高いレースである。まだ少し寂し気なワイン畑の横を駆け抜け、最後はシエナの旧市街にゴールする。

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勝負所は8つ目のセクター、つまり未舗装路だ。ここに届く頃には200人近かった集団も10人ほどの有力選手に絞られているだろう。長く、勾配も厳しいこの区間ではエースによるアタック合戦がかかる。

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ここで抜け出すことが出来ればあとはひたすら全開で踏み続けるだけだ。置いて行かれた小集団は協調して追いかけなくてはならない。もし仮に追い付くことが出来ても、最後の旧市街へとたどり着く激坂で決定的な差が生まれるだろう。最後の下りゴールではスプリントではなく、ガッツポーズを見ることが出来る。

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このレースを国内では主に3つの方法で見ることが出来る。どれも有料サービスだが、是非とも見てほしい。1つがJスポーツのBS放送、これはスカパーに加入することで見ることが出来る。あとの2つがJスポーツオンデマンドとGCN+というストリーミングサービスである。

www.jsports.co.jp

【公式】J SPORTSオンデマンド|いつでもどこでもスポーツを楽しもう。

 

racepass.globalcyclingnetwork.com

 

それぞれ、月額で2980円、1800円(U25で900円)、9.99USD(大体1100円)で加入することが出来る。年額であればいちばん最後のものはもっとお得に契約出来るだけでなく、今月は特に注目のレースが目白押しで、ほぼ毎日なにかしらやっている、特に欧州開幕の本格ステージレースとしてパリニースやティレーノアドリアティコとこの2つは1年を占ううえでも最重要のレースがある。1レースを見るには少し高額と思うかもしれないが、是非試しに見てほしい。ちなみに、どれも当然日本語実況解説がある。GCNは多言語での実況があり、どれも自由に聞けるため、語学の勉強にも役立つかもしれない。

 

では、注目選手を紹介したい。

 

そもそも、このレースは様々な選手にチャンスがある。所謂クラシックスペシャリストだけでなく、その厳しい獲得標高と最後の激坂からクライマーも過去に結果を出している。特に、今年はジロデイタリアというツールとほぼ同格のレースでこれと似たようなコースを走り、それが総合優勝争いにとても重要であるため、ジロ総合を目指すオールラウンダーもかなりの数出場している。今回は今日の優勝を目指せる選手、ジロの前哨戦として大事な選手どちらも紹介する。

 

1.Wout van Aert from Jumbo Visma

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 昨年のチャンピオンである。その前2年もどちらも3位入賞と、このレースとはとても相性がいい。去年最も活躍した選手の一人で、その脚質はファンアールトとしか言いようがないが、シクロクロス、つまり泥道などを走ってタイムを競う種目で世界チャンピオンになっているように、ダートでの抜群のバイクコントロールが魅力である。スプリンターとしても一流ながら、これくらいの獲得標高なら普通にこなしてしまうので、もし最後にもつれるとしてもこの選手が有利だろう。

 

 2.Mathieu van der Poel from Alpecin-Fenix

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 昨年のクラシック、つまりこのような1日で行われるレースを常にファンアールトと盛り上げ続けたそのライバルがマチューである。こちらもシクロクロスで特に現在3年連続世界チャンピオンになっている。バイクコントロールとフィジカルで他を圧倒するこの2人の争いに注目が集まっているが、マチューにはすこし登りが厳しすぎるのではないかという疑問もある。ともに、より平坦でのレースを得意としている。

 

3.Julian Alaphilippe from Deceuninck Quick Step

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 こちらはロードレース専業の選手で、クラシックスペシャリストと呼ばれる部類だろう。19年にチャンピオンになっている。果敢なアタックと、チーム力の高さが魅力で、もし終盤にチームメイトを残していたら最有力の一人となるだろう。チームメイトにはジロ総合を狙うヨアンアルメイダと、15年のチャンピオンになっているスティバールという選手がいるから心強い。

 

4.Tom Pidcock from Ineos Grenadiers

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 こちらもファンアールト、マチューとともに年初のシクロ戦線を賑わせた選手である。なんと今年プロデビューながら、既にシクロ、ロードともに結果を出している。自転車の大体のことで世界チャンピオンになっている超期待の若手英国人であり、このレースでもいきなりエースナンバーをつけて走る。シクロの素地と、U23版ジロ総合覇者の登坂力、さらに先日のクラシックでも3位ゴールをするスプリント能力とレース勘の高さが組み合わされば、優勝してもなんら不思議ではない。

 

5.Egan Bernal from Ineos Grenadiers

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 こちらはそのピドコックのチームメイトのエガンベルナルである。2019年のツール覇者は今年ジロで総合優勝を狙う。その下見としての側面が強いだろうが、過去にもクライマーが上位入賞することは少なくなく、台風の目となるかもしれない。ピドコックとしては頼もしいアシストになるだろう。また、直前に落車をしてしまい、エースを担うことはないと僕が勝手に思っているクヴィアトコウスキーもこのレースに出場する。過去に2回優勝している最強アシストがクラシックでもアシストに専念するならば、こちらもとても興味深い。

 

6.Tim Wellens from Lotto Soudal

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こちらは再びステージ狙いの選手。今年既に2勝しており、集団から抜け出した時の独走力とアタックのキレは候補のなかでもかなり上位だろう。

 

7.Tadej Pogacar from UAE team Emirates

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 20年ツール覇者のポガチャルは、別にジロを目指す訳ではない。しかし、既にLBLやリエージュといったモニュメントで上位に入る走りを見せており、今回も上位に入ってくるかもしれない。昨年のツールでの未舗装路では、アタックを仕掛けようとする瞬間も見ることが出来た。

 

8.Simon Yates from Team BikeExchange

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 多分右がサイモン、左がその双子のアダムである。今年はついに違うチームで走ることになるこの双子だが、サイモンの方は18年にジロで逃した総合優勝を今年も狙うことになっている。ハッキリ言ってクラシックに適性があるとはとても思えないが、これをクリアしないと総合優勝はないため、ぜひとも頑張ってほしい。

 

9.Romain Bardet from Team DSM

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 フランス人期待の星バルデはこれまでフランスチームで毎年ツール総合に挑んできたが、ついに今年ツールに出ずにジロとブエルタを目指すことにした。このレースでも過去に2位に入っており、ジロの注目選手としても、ステージの注目選手としても面白い。

 

今日このレースを見てくれる人がいるのなら是非この9人を覚えていてほしいと思う。レースは21時50分スタートである。最後に、英語実況ながら過去3年分のハイライト動画を置いておく。

 

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このように、晴れても砂ぼこりが、雨ならば泥が選手を襲う訳だが、今日は晴れが予想されている。