スパイクカップ_8.0参加録 デッキ解説編

今回はスパイクカップという大会で使用したデッキについて紹介したいと思う。ちなみに、これは生活リズムが崩壊しすぎた僕が大会前日の朝15時に寝て25時に起きた結果寝るに寝られず直前の足掻きとして思考の整理を兼ねて書いたものになっていることを付言しておく。つまり、一文目も使用するつもりのデッキというのがより正確なものとなる。

 

では、早速レシピとその原案から説明する。

デッキコード: LnNnPP-LlAPc2-gn99gn

 日欧交流戦でフィリップシュルツ選手が使われていたデッキに感銘を受け、調整を重ねたものになる。ちなみに、これを見つけた時点では今後大会に参加する予定が一切なく、ジラーチ抜きのCレギュで調整していく予定であったが、この大会を見つけ、急遽Bレギュ込みでの調整に舵を取ったため、いくらか急ごしらえなところはある。

 

まず、原案についていくらか解説したい。何と言っても目を引くのはスマホロトムの採用だろう。これには主に2つの目的があると考えられる。ふとうの剣の価値の最大化と、安定感の底上げである。前者はわかりやすいだろう。トップを鋼エネにすることでデッキのエネ効率を底上げすることが出来る。特に先攻1ターン目のふとうでエネルギーを付けることはかなりの意味を持つ。つまり、相手のVMAXの進化元、特にエネルギーのついて次ターンVMAXになるVを否定することが出来るということだ。ルカメタやザマゼンタという少し立ち上がりの遅いカードが採用されていながらボスが4枚もあるのは先攻2ターン目に3エネついたザシアンを作りボスを打つという目標を達成しやすくするためだろう。

 

そして、スマホロトムは中盤以降も盤面作りの安定化に寄与してくれる。博士の前にスマホロトムを打つだけでドローの質は向上するし、プレー後に雑にトップを固定するだけでもマリィに対する耐性を付けることになる。序盤のテンポを掌握するのに長けたこのデッキではゲーム中盤にもふとうをする余裕があることも相まって、スタンプからの復帰もそう難しいものではない。スマホロトムは手札を1枚失って何もできないカードとの評価をされてしまい登場以降ほとんど見かけないカードだったが、是非一度手に取ってみてほしい。ことザシアンと組ませた場合は特に力を発揮する強力なカードであることをわかってもらえると思う。そもそも、ポケカというのはクイックボールとかハイパーボールを強いとか言ってる、アドバンテージの概念が崩壊したゲームなのだから、上にあるような話を盲目に受け取るのはすこし反省の余地があったと思っている。

 

ただひとつ問題点があるとするならば、デッキシャッフルの回数が多くなりすぎることだろうか。ジラサンを思い出して懐かしくならないこともないが、今のご時勢では少し時間が不安になる。

 

では、本題の僕のデッキ解説に移りたい。今回はコンボ要素を採用し、三ザシやTAGに対しても勝率をあげようと試みた。当初はガラルニャイキングや朽ちた剣に枠を割いたものを考えていたが、2ターン目に280を出すハードルが結構高いこと、いくらスマホロトムの手札消費が気にならないとは言っても流石に進化の雄たけびまで使うとなると苦しいことなどに問題があった。ということで、コンボの採用を決めた。コンボ軸の最初のリストは以下のものである。

6月頃にPTCGOの大会で使った経験を元に構築した。ボールが4枚では微妙に足りないことからソニアを、230,260では届かない三神やVMAX系統に対して打点を補うためのフーパを採用していたが、タフネス入りのザシアン系統やドガスダイナに対する勝率が微妙であった。また、小ズガに対しても為す術なしといった感じで、ヨネタク氏が記事やリストを公開して以降その数が増えているのをジムバトルレベルながら明確に感じていたので、スタンプなども含めどうにか勝てるカードを増やすべきだった。

 

まず、ザシアン系統に対して。大きなお守りまでは朽ちた剣で圏内に捉えるが、それも1枚しか採用していないし、複数枚採用に対して抗えるものではない。朽ちた剣の枚数を増やすよりはツールスクラッパーやガラルジグザグマ、ダンデなどの打点を実質的に補うカードを採用する方がバリューの高いことは明らかであり、今回はジグザグマを採用することとした。これには枠の問題がある。見ての通りキツキツのデッキであり、エネもサポートもグッズもあまり削れるところがない。ジラーチの3枚採用は原案から比較しても一見過剰かもしれないが、これはザシアンやジラーチの強いカードでスタートする確率を高めつつ、なるべくコンボギミックでスタートしないようにするという意図があった。つまり、融通の利く枠がジラーチ周辺を種ポケモンに置き換えるくらいしかなかったということである。

 

さらに、ムゲンダイナが厳しいという点について。これは本来のこのデッキの強み、つまりエネのついたVを先に倒せるということを考えれば十分有利と思われるかもしれないが、最近はカウンターゲインの採用率がそれなりに高いこと、ザシアンを後攻2ターン目に失うと立て直しが効かないことがネックであった。また、ザシアンやヤレユータンを有効活用することを前提にデッキが構築されているのも問題である。特にガラルマタドガスが絡む展開ではドローやエネ加速が制限されるだけでなくコンボを仕込めなくなることにより攻撃回数、つまり必要なエネの枚数のハードルがこれ以上に上がってしまう。後攻1ターン目に相手が覚醒を使う展開では、2ターン目には殴れるフーパやザシアンを前に出さないと常に後手後手になってしまう。これらを踏まえ、いくらかの出遅れに対して間に合わせるためのカードとしてザマゼンタVを採用した。こちらは後攻1ターン目にストーン闘やムキムキパッドがついて狩り逃したセキタンザンに対しても強いカードとなり、汎用性を失わないのが魅力である。

 

ちなみに、ボスを4枚採用していることもあり、全くドローが進まなくて犬死するということはあまりない。ザマゼンタなどのメタ枠を採用するにはそれが有効な場面でしっかり使うことが出来るかも重要であるが、これは最低限クリアできていると考えている。逆を言えば、フーパ1枚だけではボールの少なさも相まってかなり不安だが、ザマゼンタも含め当たりが2枚となれば十分な勝率やドローできる確率を見込めるということである。

 

また、小ズガに対してはレヒレを絡ませることで対策とすることが一般的だったかと思うが、ヒードランファイアローといった使い勝手や小回りに秀でたサブアタッカーの採用が増えたことにより刺さりが悪くなったという印象がある。一定レベルにいるプレイヤーにはあまり通用しないだろう。かといってコーティング鋼エネルギーを増やし基本エネを減らすことはデッキパワーの低下につながる。小ズガの数を適切に読むことが出来たら最適な枚数を算定することも出来るのだが、今回はひとりで調整していたためそれも叶わず、コーティング鋼エネを採用しない中で勝率を確保していくことに努めた。つまり、リセットスタンプと無人発電所の採用である。それにあたってドロー枠はデデンネからクロバットVに変更となっている。スタジアム枠に1枚しか割けないならうねりがメジャーかと思うが、うねりは2枚目以上採用して初めて強いスタジアムだと認識している。弱点の関係で相手に要求する炎エネの枚数は終始少なく、かまどの回数を制限することに大した意味がないのも問題である。この2枚は、つまり、終盤の溶接工の回数を意識してのものということだ。

 

それでは基本的な立ち回りと、それぞれの対面での立ち回りに話を移す。

0.共通の立ち回り

ザシアンでふとうの剣を強く使い、早期にボスを絡めて相手のアタッカーを削っていく。ただし、相手がブレイブキャリバーで取れないサイズの場合、フーパジラーチのビンタを挟みなるべくザシアンを場に残しながらサイドを取るようにすることも意識しなくてはならない。また、ザシアン、ザシアン、フーパの3枚のアタッカーで勝ち切るサイドプランを意識することが出来れば勝率が高くなるだろう。もちろん、そのためにはコンボを有効活用することが求められる。

 

1.三神ザシアン 先攻60% 後攻50%

基本的に相手は最初のアルティメットレイでサイドを3枚取ることが難しい。こちらもアルティメットレイの前にクロバットを出さないような意識は重要である。こちらはコンボをあわせて最大でも3回の攻撃回数で勝てるのに対し、相手はオルターを含めて4回攻撃が必要となる。十分勝ち得るだろう。強いて言えば後攻の場合はボスの要求が多くなるのが難しいくらいだ。

 

2.ムゲンダイナ 先攻55% 後攻45%

こちらもコンボを絡ませるのが望ましいが、あまりコンボを達成させてくれない。手札の状況次第では博士を打つためにさっさとコンボを諦めたサイドプランに舵を切らなくてはならないという場面も頻発するだろう。その場合、ザシアン、フーパ、ザマゼンタのように動かすことが多い。コンボが成立するパターンではムゲンダイナVMAXとクロバットか、Vを2枚と非エクをフーパで1枚とコンボというサイドプランを目指す。

 

また、この対面で最も意識しなくてはならないのが、入れ替えを引けていない状態でジラーチを前にして番を返さないということである。相手にサイドを献上しながら相手に番を返しさらに新たなサイドを取られるというパターンは最悪である。そもそも、この対面ではサイドを取れない/ムゲンダイナをザシアン圏内に入れれていないカードでサイドを2枚献上するのは致命的である。HPが110以上あるカードであればジグザグマを考慮しても前にしてもどうにかなるとは思うが、なるべくフーパで削るかザシアンで早く倒してしまいたい。

 

3.セキタンザン 先攻60% 後攻60%

ザシアンを序盤から倒すのが難しく、コンボを用意するターンが十分にある。クロバットデデンネが出ていなくてもザマゼンタがネギガナイトを出すのを要求出来る。十分に勝率が取れるだろう。もちろんサイドプランは3+2+1だが、相手にストーン闘やムキムキパッドの付きが悪ければ2+2+1の場合も存在する。ちなみに、ストーン闘1枚までは癇癪ヘッドで倒すことが出来る。

 

4.小ズガ 先攻40% 後攻35%

大体キツイ。終盤にスタンプと無人を揃えてプレーすること、なるべくマリィを連打することを意識する。ヤレユータン1枚は倒されても最悪どうにかなるため、こちらにリソースを吐かせるかV,GXを出すことを要求し、なるべく必要なザシアンの数を減らすことが大事である。つまり、相手にリソースを吐かせてから倒し返しでザシアンが生き残る展開を目指すか、Vを倒し攻撃回数を減らすということである。場合によっては小ズガをひたすら無視し、コンボを2回死ぬ気で使うこともある。

 

5.ジュナイパー 先攻15% 後攻15%

小回りは効くからどうにかモクロ―を倒し切るのを目指す。基本的に厳しいが、モクナシが絡む場合は一応どうにかなる。

f:id:ichyopoke:20201227075237p:plain
この場合、ほろびのゆめを有効活用する必要がある。モクナシから3+1枚、ジュナイパー単騎に対してほろびのゆめを打ち相手が種切れするか、ポケモンを出した場合はそれからサイドを取り、フーパヤレユータンジュナイパーをどうにか倒すということになる。一応、3エネジラーチを回収してもう1回コンボを仕込むというパターンもあるが、流石に出来すぎだろう。とにもかくにも、モクナシ系で余計なポケモンでスタートしてくれるかどうかの勝負になることが多いと思う。

 

他にもルカメタザシアンなど様々なデッキが存在するが、今回はここまでに留めたい。ちなみに、ルカメタザシアンに対してはかなり不利である。一方的にザシアンが倒されてしまうため、基本的にどうにもならない。コンボを絡めてルカメタとザシアンを倒そうにも、マオスイがそれを阻む。やはり不利だろう。

 

そもそも、スマホロトムを色々触っていたのは原案のアイデアに驚いたというのもあるが、それ以前からジラーチ抜きでクロバットデデンネに依存しないデッキを探していた過程にあったからだった。スマホロトムの使用感についてまとめるならば、ザシアンのスタート率を高めた構築なら十分使いやすいと思うが、当然ジラーチほどの汎用性を持つには及ばない。

 

フィオネセレビィについてはポケモンを探すことは先攻のハードルを下げることには役立つかもしれないが、サポートの枚数を減らせるようになるカードではないため、探したい実物を増やした方が有用な場面も多くなる気がする。夢のお告げのジラーチの方は、まずザシアンに限った話をするとエネを13枚以上入れる枠があるなら十分採用の価値があると考える。しかし、その他については、やはり難しいだろう。スマホロトムと合わせれば手札の増えない代わりに眠らずエネやポケモンも触れるジラーチのように使えるが、こちらは未検証である。いずれ文章にしたい。しかし、これに6枠も7枠も割くのはあまり強いと思えない。これらを他にも活かせるデッキである必要があるだろう。つまり、ベンチからバトル場に出てないといけないだとか、デッキトップが固定されていると強いだとかそういうことである。

 

このデッキに話を戻すと、そもそも先攻でのデッキパワーの最大化を求めてのものであるから、BO3が一般的な海外環境でこそ向いているものなのだろうと感じる。つまり、後攻でのパワーの低さが少し気になるということでもある。マリィを打てるならその限りではないのだろうが、4枚目のマリィを採用する枠がなかった。この枠については、もっと時間があればもっと色々と精査出来たのだろうが、十分な時間を確保することが出来なかった。一方で、限られた時間でそれなりのクオリティにまで持っていくことができたのはこれまで海外環境ながらコンボザシアンを使い込んできた経験からであり、それは鬱々とした時間の中でも際立って良い思い出であったため、それを思い出し、さらに活かすことが出来たことはとても嬉しい。あとは実際に大会で勝ってくるだけである。これが公開される頃にはすでに大会が終わっていて、読んでいる方には違和感も大きいかもしれないが、その対戦レポートなどについては改めて別でまとめるつもりなので、そちらも読んでもらえるとありがたい。

 

もうそろそろ大会も始まるのでここで筆をおこうと思う。ここまで長々と読んでくれてありがとう。