Limitless Qualifier4 環境考察からスピードザシアンに辿り着くまで

 こんにちは、いちょーです。今回はLimitless Qualifier4という大会に向けての考察や、デッキ選択についてつらつらと書いていきたいと思います。また、今回の考察は全てともぽんさん(https://twitter.com/tomopon_ptcg?s=20)と協力して行いました。とても楽しかったです。ここでお礼を言わせてください。ありがとうございました。そして、DAY2進出おめでとうございます。

 

 以下常体(ポケ勢並感)

 

 カードプールは日本でいうところの反逆クラッシュまでで、リザードンVMAXやオーロンゲVMAXをギリギリ含まない。そして、ルールについてだが、デッキをお互い見せあった状態でのBO1である。調整中は常にこれを念頭に置く必要があった。同一プールでの大会が2週間前にも行われていたため、まずはそれについての検討から始める。上位入賞者やデッキ選択、さらにその細かい採用については以下を参照しながら読んでいただくと捗ることと思う。

https://limitlesstcg.com/tournaments/?id=263

 

 上位トップ8について見ていって、初めに目を引くのはピカゼクの多さである。特に、ジラーチに薄く、マオスイまで採用した形が結果を出していたことが窺える。これは、ジラーチがドラパ対面での負け筋となるということ及び、タチフサグマに対して入れ替えリソースの枚数、特にライライが相手に麻痺を押し付けられる回数を意識してのことだろう。ピカゼクは間違いなく環境トップであるが、デデンネに比重が寄った結果、三ザシ系には不利が付くようになっている。また、調整する場合はミラーが頻発するであろうことを忘れてはならない。そして、このデッキに有利を取る方法は、ピカゼクを2回動かさないことが第一に挙げられる。逆に、2回の行動を許した場合、サイドプランをぐちゃぐちゃにされてしまう。つまり、パルスワンの打点がとんでもないことになり、3-2とサイドを取るのを強要されるということである。

 

 ついで目立つのがドラパルトVAMXと小ズガドーンである。前者はVMAXの不安定さを2エネという軽さとミストレ対応という点で上手く解消したデッキであり、ホラー超やジャイアントボムなどと絡めることで非常に緻密なサイドレースを刻むことを得意としている。特に、カラマネロを全く採用しないリストが上位に残っている。これは、カラマネロを必要とするエネテンポの試合ではそもそも勝てないことと、デッキが複雑になりさらにミラーに弱くなってしまうことなどが原因と考えられる。だからこそ、このデッキに対して有利を取る方法は、青天井やそれに近いアタッカーでドラパをワンパンすることと、相手のエネテンポを阻害することであった。だからピカゼク(のパルスワン)や、小ズガを苦手としているが、三神系やその他有象無象には滅法強く、この位置にいると考えられる。

 

 そして、小ズガについて。自粛以降に始めた人にとってもすぐ集められるデッキだから、使用者が多く、だからこそ結果を残したと考えている。確かに、ちゃんと回れば強いが、ちゃんと回れば強いの域を出るデッキではなく、相手が遂行プランをしっかり持っていた場合、一気に苦しくなる。つまり、一見有利に思えるドラパ対面でもホラー超+ボムなどを用意されると必要な溶接工の回数が膨大になってしまい、五分前後のゲームになってしまうこともあるということである。幸いなのはオドリドリが1ターンで倒されることがないということだが、ミミッキュを絡めて簡単に止められてしまうこともある。逆を言えば、ドラパが小ズガを意識した場合、この3枚はまず入ってくるだろう。また、このデッキは相手のベンチを呼び出すカードを打つタイミングや入れるデッキスペースがほとんど存在しないが、それが相手にバレていると相手のサイドプランを押し付けられてしまい、猶更スタンプに弱くなるなど、デッキビルドがとても難しい。

 

 さらにもう1つ注目すべきデッキとして、もはや古豪の一角となった三ザシの存在がある。上述したように、ピカゼクに有利を取る余地がある。当然、デッキパワーは健在であるから、大会を15戦して当たるよくわからないデッキに対しても勝率が高いだろう。一方で、VMAXに対しては要求されるエネが過剰になりすぎ、不利になりやすい。これを如何にして解消するかというのがカギだが、現在VMAXはドラパ程度しか存在しないため、ある程度容易に対策出来る。例えばクラハンやマオスイなどがそれだろう。

 

 その他のデッキについて詳細に言及することはないが、まず、考察すべき環境を以下のように想定し、出発点とした。

tier1 ピカゼク

   ドラパVMAX

   三ザシ

 

tier2 小ズガ

   スピードザシアン

   タチフサグマ

   エネコロロLO

 

tier3 TAGバレット(ソルバースト軸)

   MM3(炎、超)

   パルスワンゼラオラ

 

この中で、上位のデッキから検討を開始した。当然、目指すべきは全対面有利であるが、特に上位の3つに五分以上というのを目標にデッキ探しを進めた。各デッキの理解度を深めることと、考察序盤はミラーのなるべく発生しないデッキについて優先して検討することを意識した。

 

 まず、ドラパルトについて検証を進めた。新規で特に理解度の低いデッキだったからである。三ザシについてはホラー超エネとボムを1回絡めるだけで十分有利になることが判明したが、一方で、やはりピカゼクのパルスワンが暴れるのをどうすることもできなかった。ただ、それ以外の対面での勝率は高く、僕自身好きで一定の勝率を誇っていたデッキだったため、スパー役として残すこととした。

 

 次に考えるべきはピカゼクに有利の取れるデッキであるが、ピカゼクをワンパン出来るGX,V以下を中心としたデッキが望ましい。今回注目したのはスピードザシアンと呼ばれるデッキタイプである。このデッキの魅力は、現環境で最もパワーの高いザシアンVを自然に採用出来ること、三ザシに比べてデッキスペースが存在することからメタカードやギミックを仕込めることなどである。特に、回収ネットのおかげでジラーチを絡めた展開を作りやすく、メタルソーサーを高速で集めることや、ジラーチ☆を的確に使うことが容易になったというのが大きかった。

 

 スピードザシアンの原案は、Q3である日本人の方が使われていたものを参考にさせていただいた。ジラーチ☆ギミックを重要視した結果、3-2で取らせてマウントを取るデッキ、つまり、ピカゼク+パルスワンや三ザシに対して、有利になっていることが判明した。また、戒めの祠やジグザグマといった打点を刻むカードが多いことから、230では微妙に届かないところに対しても窮屈さを感じることはなかった。

 

 このデッキが特に手応えがあったため、以降はこれに的を絞って調整したその記録になる。

 

 しかし、いくら手応えが良いとは言っても、ザシアンが3エネ起動で、エネ加速がメタルソーサー4枚しかなく、230点しか出ないこともあり、VMAX、つまりドラパルトデッキに対してサイドを取り切ることが困難であった。ドラパVから2枚、VMAXから3枚、ジラーチ☆で1枚と取れる、特に先2でボスを絡めて取れる場合は勝てるが、逆にドラパVを取れない試合は全く歯が立たないことが判明した。幸い、VMAXで環境にいるのはドラパのみだったため、これに絞ったメタカードを模索することとなった。

 

 ドラパルトとの対戦で必要なのは打点を刻めるカード、つまり軽いエネで動かせるカードである。あるいは、エネを毎ターン1枚割れば相手はいつまでも殴りだすことが出来なくなる。そもそも技のダメージを受けないザマゼンタVも候補に挙がってくる。今回検討したのはそれぞれ2エネ、1エネで殴れるアタッカーのクチートGXとフーパ、そして、エネを割れるクラハンやギラティナルカリオ&メルメタルなどである。それぞれ解説する。

 

 クチートGXやフーパは手軽に90点以上が望めるアタッカーである。ザシアンの230点と合わせて、ドラパルトVMAXを倒すことが出来る。特にフーパについては超抵抗のおかげで、ダイファントムを一度耐えることすら可能だ。ドラパ側が特性持ちを1枚も出さずに試合を作るのは難しく、フーパは有用に思えたが、僕がスパーを重ねるに連れて、フーパをケアするのはそう困難ではないとわかった。1枚だけで不利を覆すほどではなかった。そこで、クチートGXを絡めて無理やり盤面を作ることにした。クチートGXがこのルールで果たす役割は大きい。相手は常にクチートをケアしたプレーを求められる。考えることを1つ増やすだけで偉い。特に、デデンネを早期に消費させることが出来ればサイドプランのイメージも立てやすくなる。また、LOや電磁障害ルクシオレントラー)に対して安定した打点で連続して殴れるこのカードはとても優秀であった。

 

 ドラパルトを使っていて一番苦労するのがエネ周りである。カラマネロを入れるとデッキが弱くなってしまうが、ないとエネ破壊に異常に弱くなってしまう。僕はカラマネロ抜きこそ強いと結論付けていたが、だからこそエネ破壊はとても有効である。クラハンについては、確実性がどうしても気になった。気性の安定しない僕がこの結果に一喜一憂するのはその後の試合に影響を及ぼすだろうし、そもそも必要な時、つまり序盤に的確にエネを割れるのかとても怪しいのも問題だった。ルカメタのGX技についても、確かにGX技は余るのだが、これに2エネ割く余裕があるのなら、クチートフーパで殴った方が先決だと感じた。

 

 ギラティナについては、確実であることと、相手のプレーの選択肢を狭められることから積極的に検討した。前者について、状況さえ満たせば、クラハンより優秀なのは当然である。後者についてだが、相手のリストを見て戦う以上、相手の手貼りの選択肢を制限できるというのはとても優秀であった。例えば、これは違うデッキの話になるが、バトル場ピカゼクでスタートしたピカゼクデッキの先攻1ターン目に、前にスピード雷エネを貼る裏目を与えられるといった具合だ。基本雷を貼って手札が2枚少ないか、相手がエネを1枚割られた状態からスタートするか、といった試合にすることが出来る。結果ギラティナが出せたかどうかは重要ではなく、そのケアを押し付けられることが大事なのである。ドラパvsザシアンでも、ホラー超エネの果たす役割は大きい。特にフライパンをつけたザシアンに対してダイファントムは100点しか入らず2回耐えることが出来るが、ホラー超に1度触れるだけで気絶してしまう。これを回避出来るギラティナはとても優秀だった。しかも、1回エネを割るだけでダイファントムを打てないターンを1度作れることが多いこともわかった。これを受け、ザシアンにギラティナを入れるのはかなり良い選択肢であると考えた。

 

 ザマゼンタVについては、遂行が遅く、ザマゼンタ単体で勝てる試合は少ないというのが問題であった。特に、エネを準備するターンにベンチで普通に5点乗るのが弱い。ダイファントムを2回喰らうと、アサルトジェット圏内になってしまう。勿論、ドラパを進化させないことで拾いやすくなる試合は多いが、にしても扱いにくかった。なお、フライパンをつけたザマゼンタVは小ズガに対して6エネ要求することが出来、しかも毎ターンズガドーンを倒せるため、結構偉い1枚である。

 

 いくらザシアンの構築自由度が高いとは言え、全部を入れられるはずはないので、特にバリューの高いクチートフーパギラティナを採用してスパーを続けた。この時、小ズガに対して相当の意識を向けていたため、ポケモンの道具に「鋼鉄のフライパン」を採用することに疑いを持てていなかった。これについては後述する。

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 結果として、ドラパVMAXに対しても五分、あるいはそれ以上の見込めるデッキが仕上がったという自信があった。特にフーパは革新的である。ピカゼクに祠を割られ、しかもお守りまでついたとしてもフーパが手軽に倒すことが出来る。

 

 次はこのリストが、その他のtier2以下のデッキについてどれだけ勝てるのかという段階である。つまり、小ズガ、タチフサグマ、エネコロロLOに対してである。

 

 まず、鬼門の小ズガについて。まず回して思ったのは、これはタイプ相性の問題ではないということである。毎ターン溶接工を打たれれば負けるし、打たれなければ勝てるといった具合であった。その際大事になるのは、マリィやリセットスタンプをどれだけ打てるか、そしてオドリドリをどれだけ迅速に処理できるかという点である。そして、フーパジラーチオドリドリを取りながらサイドを詰めて、最後に呼び出されないザシアンを準備しながら不撓の剣でジラーチ☆関連を揃えれば十分間に合うことが判明した。逆に、それを越える周りをされた時にはどのデッキであっても勝てないから諦めるのが先決であると感じた。

 

 次いで、エネコロロLOについて。これについては、ともぽんさんの友人が検討をしてくれることになっていた(気がする)ので、あまり触れなかったが、クチートGXとフーパが人形やチラチーノを取りやすく、ザシアンのお陰で超越もされないことからフリーザーGX型には十分試合が出来ると考えていた。とーしんさんたちが使ったルカメタで殴れるタイプのLOについては全く思いつきもしなかったが、あれについてはかなり厳しい試合を強いられるだろう。

 

 最後にタチフサグマについて。これについてもクチートGXとジラーチ☆の活躍するマッチである。タチフサグマが殴り始めるまでにフーパで手軽にサイドを取りにいくことが出来、またタチフサグマが殴り始めた後、回収ネットなどで単騎の状態を作られても2つの勝ち筋を追うことが出来るようになっている。1つはクチートの特性で手札に抱えたイベルタルなどを呼び出し、それをグレキャで取る方法。これについては、グレキャ+ボスまでそろえると、その場に唯一残っていたタチフサグマを倒すことが出来、2ターンもらえるようになる。また、それが叶わない場合でも、ジラーチ☆の技でごり押せる可能性を残している。

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こちらのプランを取る際、相手はクチートGXをケアしてデッキや手札のポケモンの総数が減っている状態であり、そこにスタンプを交えながらフライパンジラーチでこの技を使うと種切れ勝ちが結構現実的なものになっている。

 

 以上より、スピードザシアンがこの環境の正解であることに対して疑いがなかった。ここまで読みきってエースバーンVMAXを絡めたデッキを使う人も少数だと考えていた。しかし、やはりドラパルトに対して一抹の不安が拭えないでいた。この時目についたのが、メタルゴーグルであった。これを付けることで、ジグザグマの癇癪ヘッドや、ダイファントムの5点を防ぐことが出来る。このプランが通れば、ザシアンがドラパルトに2ターンで倒されることはなくなり、いよいよ有利が確定的となる。この時、ゴーグルをつけていても問題となるのがホラー超エネルギーであったが、PTCGO内の仕様により何故かゴーグルを付けたポケモンにはホラー超の効果が通らないことまで発覚した。これはメタルゴーグルの採用を確信するには十分であった。そして、ギラティナの枠を変更する余地さえ残った。

 

 その後の調整で問題になったのが、お守りとスタジアムの多いピカゼクである。特に、相手はグズマハラのお陰でスタジアムにもお守りにも触りやすいのに対し、こちらの祠やツールスクラッパーはいつプレーできるのか不明瞭なところがあった。本来有利と思っていたが、これをひとたび通されると一気に苦しくなることが判明した。特に、フルドライブ→タッグボルトの2枚抜きがどうしようもなく、ミュウの採用に至った。この時、調整過程でピカゼクに対してクチートGXスタートが頻発し、負け筋になりすぎてしまったため、クチートGXを抜いてしまった。マッチングを振り返ってみればそれでもよかったと言えるが、デッキパワーを最大化する上では欠かせないカードだったと今は反省している

 

 また、ミラーやドラパルトに対してメタルゴーグルにいつ触れるのかはとても重要であったため、冒険のカバンを採用することで最終稿とした。それが以下のリストである。

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次のブログでは、大会のマッチアップや反省点、そしてこのデッキのそれぞれのマッチアップについてまとめようと思う。では、ここまでお付き合いいただきありがとう。